罠か

道をあるいていたら、『それがいいわ』という本が落ちていて、拾いたくなったが、罠なのかなあ、とおもう(罠です)。すごく天気のいい日で、ひさびさに連絡のとれなかった友人から手紙がきた日だった(それも罠だっていうのか?)。手紙には、「わたしはあなたのことをよろこんでるの」と書いてあった(喜びを誘いかけるとぐろのような罠か)。その日、たまたま食べた熟成味噌カツ弁当も思いがけなくおいしく、わたしは(笑わないにんげんなのに)もぐもぐしながら笑顔だったかもしれない(全部、罠です)。

この記事を書いた人
yagimotoyasufuku
柳本々々(やぎもと・もともと)1982年、新潟県生まれ 川柳作家
安福 望(やすふく・のぞみ)1981年、兵庫県生まれ イラストレーター